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夫婦


 

 る男が夜道を歩いていた。ちょうど墓場へ通じる道にさしかかった時、月明かりの下で木々の間に坐る二つの人影が目に入った。
 一人は十六、七歳の瑞々しい美少年。もう一人は白髪頭の老婆で、背はすっかり曲がって杖にすがっていた。どう見ても七、八十は越えていそうである。その二人が肩を寄せ合って楽しげに語らい合う姿は、どう見ても恋人同士のようであった。
 何ていやらしい婆さんだろう、あんな若い子とイチャイチャして、男はそう思った。不思議なことに近づくうちに二人の姿はだんだんかすんで薄くなっていき、ついには消えてしまった。
 翌日、男があの墓場には誰の塚があるのか調べてみた。彼が聞き知ったところによれば、某という男が嫁を迎えて間もなく亡くなった。残された妻は五十年余り後家を通した後、亡くなり、夫と同じ塚に葬られたとのことであった。

(清『閲微草堂筆記』)