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金蘭会


 

 東や広西地方には奇妙な風習がある。嫁入り前の娘達が寄り集まって義理の姉妹の契りを結ぶのであるが、これを「金蘭会」と呼ぶ。

 上は笄(こうがい、注:女子が十五歳になると、髪を結い上げて笄を挿した。転じて成人に達することを意味する)に達した者から下は髪を伸ばし始めた者まで、七、八人、多い時には十余人が集まって金を出し合って、一軒の家を購入して会合の場とする。誰か嫁ぐ者があれば、その前夜、つまり独身最後の夜はここで姉妹達と過ごして別れを惜しみ、翌朝、輿に乗り込んで嫁入り先へ向う。たとえ父母であっても独身最後の夜を娘とともに過ごすことはできない。
 嫁いだ後は夫と寝床を別にし、夫もあえて強いることはしない。ある者は姉妹から贈られた鋭利な小刀で身を守り、夫に指一本触れさせない。姉妹達が全て嫁いではじめて夫と寝床をともにするのである。もしもその前に子供を生みでもしたら、姉妹に絶交される上に、ほかの女たちからも嘲笑(ちょうしょう)を買う。それだけでなく、この風習になじんだ地域の者からも軽蔑され、父母及び舅姑も恥をかくのを免れない。
 会の掟は甚だ厳しいもので、姉妹の誰か一人でも未婚のままならば、嫁いで十数年経っても夫に指一本触れさせない者もある。

 このためなのか夫婦の情愛はほかの地域に比べると、あまり篤(あつ)くないそうである。

(清『坦園日記』)