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恐妻


 

 巣の乱平定のために、王鐸(おうたく)という人が司令官として潼関(どうかん)へ派遣された。この王鐸、単身赴任をいいことに、夫人に内緒で姫妾(きしょう)を引き連れ、任地へ赴いた。しかし、すぐに夫人にばれてしまった。ちなみに王鐸の夫人は大変な焼餅焼き。怒り狂った夫人はすぐさま長安を発ち、潼関の王鐸のもとへ急行した。早馬でこの知らせを受けた王鐸は弱り切った様子で参謀に言った。
「ああ、黄巣軍が南から迫り来る中、今度は奥が北からやって来るという。一体、どうしたらよいのじゃ」
 すると参謀、
「いっそのこと黄巣軍に降りますか?」
 さすがに王鐸もこれには笑って、
「先に荊州を失い、今度は潼関も失えというのか?」

(宋『北夢瑣言』)