老童生


 

 知事が童生の試験を行った。夕方になって試験が終わったのだが、突然、試験場の出口が騒がしくなった。
「何事だ?」
 知事の問いかけに門番が答えるには、
「杖を間違えた童生がおりまして、それで皆が騒いでおるのでございます」

(明『笑府』)