頓智(とんち)
王安石の息子の元沢(げんたく)は幼少より聡明であった。 元沢がまだ五、六歳の時のことである。客がノロとシカを一つの籠に入れて元沢に見せてこう言った。 「どちらがノロでどちらがシカかわかるかい?」 元沢はじっと見つめたが、判別はつかない。しばらく考えてから答えた。 「あのね、ノロの隣にいるのがシカなの。シカの隣にいるのがノロなんだよ」 客は大いに感心した。 (宋『夢渓筆談』)
王安石の息子の元沢(げんたく)は幼少より聡明であった。 元沢がまだ五、六歳の時のことである。客がノロとシカを一つの籠に入れて元沢に見せてこう言った。 「どちらがノロでどちらがシカかわかるかい?」 元沢はじっと見つめたが、判別はつかない。しばらく考えてから答えた。 「あのね、ノロの隣にいるのがシカなの。シカの隣にいるのがノロなんだよ」 客は大いに感心した。
(宋『夢渓筆談』)