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骨董愛好家


 

 義恭という人はたいへんな骨董愛好家で、知人に何か珍しいものがありはしないかと聞いて回るのが常であった。
 侍中の何勗(かきょく)は以前にもいくつか骨董品を贈った。それでも、なおも王義恭は何かないか、とせがんでくる。これには何勗もわずらわしくなった。
 ある日、何勗は道端で犬の首輪と破れたふんどしを見つけた。早速、持ち帰ると、立派な箱に入れて、部下に命じて王義恭のところへ持って行かせ た。
 王義恭が受け取った添え状にはこう書かれていた。
「ご所望により、この二品を進呈いたします。一品は秦の宰相李斯(りし)の犬の首輪で、もう一品は司馬相如が卓文君と駆け落ちし、酒場で着けていたふんどしでございます」

(唐『諧謔録』)