楊貴妃の足袋


 

 宗皇帝は馬嵬(ばかい、注:現陝西省)で楊貴妃に死を賜った。高力士が仏堂の梨の木の下で楊貴妃を連れて行き、その首を締めた。
 後に馬嵬に住む老婆がここで錦(にしき)の足袋(たび)を一足、手に入れた。老婆はこれを楊貴妃の足袋と称し、料金をとっては旅人に触らせた。一回の料金は百銭であったが、老婆の得た利益は莫大であった。

(唐『唐国史補』)