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猫はものを言う


 

 城(注:現浙江省)のある家で猫を飼っていたが、これが人間の言葉を話すことができた。その猫が寝椅子の上で昼寝をしていたので、
「猫や猫、お前は話すことができるのかね?」
 と問いかけてみると、猫はむっくりと起き上がってこう答えた。
「吾輩が話すからといって、おみゃあさんと何の関係があるぞニャ」
 そのままプイとどこかへ行ってしまった。

 また、江西(こうせい)のある駐屯地で二匹の猫が向かい合って何やらモニャモニャやっていた。
「…ぞニャアもし」
 猫の口から出たのは人間の言葉である。これを見かけた司令官が猫を捕まえようとしたところ、一匹は屋根に飛び上がって逃げてしまい、一匹だけ捕まえることができた。猫は言った。
「吾輩は十二年生きてきたが、人間を驚かせてはいかんと思い、話さなかったぞニャ。閣下、後生ニャ、許してくれぞニャもし」
 放してやったのだが、別に怪異は起こらなかった。

(清『履園叢話』)