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 に司農卿となった楊邁(ようまい)は若い頃、鷹狩に出るのを好んだ。
 彼が長安にいた時、こんなことがあった。野原で鷹を放ったところ、離れた草むらから一匹の兎が飛び出してきた。鷹は兎のところへ舞い降りると、攫(さら)い上げた。しかし、楊邁のもとに戻って来た鷹の爪には何もかかっていなかった。楊邁は不思議に思ったが、鷹を腕に止まらせて戻ることにした。
 少し行ってから兎の飛び出した草むらを振り返って見た。すると、さきほど捕えたはずの兎が走っているのが目に入った。
 再び鷹を放って攫わせたのだが、楊邁のところに戻ると兎の姿は消えていた。そのようなことが三度繰り返された。
 いよいよ不審に思った楊邁は兎が飛び出した所の草を切り払った。そこには一体の兎の骨が転がっていた。

 おそらく鷹が攫ったのは兎の幽鬼だったのであろう。

(宋『稽神録』)