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呉道子、驢馬を描く


 

 画家呉道子(ごどうし)が寺院に僧侶を訪ね、茶を求めたところ、僧侶ははなはだ無礼な態度をとった。道子は筆と硯(すずり)を借りると、壁に一頭の驢馬の画を描き残して立ち去った。
 その夜、大変なことが起きた。寺院の中で何者かが暴れ回り、家具をすべて踏み壊してしまったのである。残された蹄(ひづめ)の跡から、驢馬の仕業であることが判明した。一体どこの驢馬が…と辺りを見回すうちに僧侶はハッと気づいた。
 僧侶は急いで道子を招いて己が非礼を詫びた。道子に壁の驢馬を消してもらったところ、何事も起こらなかった。

(唐『盧氏雑説』)