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烏賊


 

 賊(いか)は一名、河伯の従事とも呼ばれる。大きな魚に出遭うと、墨を数尺ほども吐き、その中に隠れて逃げる。江東の人は他人の財産を騙(だま)し取る時、この墨で契約書をしたためる。書いたばかりの時には墨の色合いが少し淡いだけであるが、一年も経つと文字は完全に消えてしまい、契約書はただの白紙に戻るのである。
 漁師達が伝えるところによれば、昔、秦の始皇帝が東海に遊んだ時、筆入れを海に捨てたところ、筆入れは烏賊になった。だから、その形は筆入れ そっくりで、両側から長い紐が垂れているのである。
 また、一説によると、烏賊はに碇(いかり)があり、風に遇うとこの碇を下ろすのだそうである。

(唐『酉陽雑俎』)