仙女


 

 永(とうえい)の孝心をめでて、天帝は仙女の一人を下界に遣わして、彼の妻とすることにした。
 下界に降る日、大勢の仙女が見送りに来た。皆、手を振りながら口々にこう頼んだ。
「下界にほかにも孝行な人がいらしたら、手紙で知らせて下さいね」

(明『笑府』)