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月中の桂と蟾蜍


 

 から月には桂があり、蟾蜍(ひきがえる)が住むといわれている。
 月の桂の高さは五百丈。その下で一人の男が斧でこの桂を斫(き)っている。しかし、この桂は斫った端から切り口がふさがっていくので、男の作業は永遠に終わらない。この男は姓を呉、名を剛という。西河(注:陜西省東部)の人で仙術を学んでいたが、過失により月に流され、永遠に桂を伐る罰を受けているのである。
 仏典ではこうも言っている。須彌山(しゅみせん、注:仏教で聖山とされるシュメール山)の南面にある閻扶樹(えんぶじゅ)の上を月が通ると、月面にその影が映るのだそうだ。
 また、月の蟾蜍も桂もすべては地上の山河の影で、何もないところは水の影だという説もある。

(唐『酉陽雑俎』)