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月氏の羊


 

 西方の月氏(注:現在のインドからアフガニスタンの地域で活躍した異民族)には大きな尾を持つ羊がいる。その尾は非常に大きいので、客をもてなすのに、少しばかり切れば充分である。便利なことに切り取った尾はしばらくすると元に戻る。
 大秦国(注:ローマ帝国)の北には羊の種があり、土中から生じる。大秦国人はその萌え出そうな時になると、垣根で囲う。羊の臍(へそ)が地に連なっている時に、刀で切るのは禁物である。どのようにして地から切り離すのかと言えば、太鼓を叩いて羊を驚かせる。羊が跳ね上がって鳴くと、臍が地から離れる。そうすると、普通の羊のように草を食べ始める。一、二百頭が集まって群れをなす。

(唐『異物志』)