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檳 榔 女


 

 寧八年(1075)、交州(現ベトナム北部)人が広西に攻め込み、各地を荒らし回った。広西の諸郡は徹底的に破壊され、人々は恐れをなして逃げ出した。
 一説によれば、これには不思議ないきさつがあったという。

 交州との境界に住む蛮人の集落で、檳榔(びんろう)の木に突然こぶができた。こぶはだんだん大きくなり、中から泣き声が聞こえてくる。蛮人がこぶを割ってみると、中で女の子供が泣いていた。蛮人はこの子供を家に連れ帰って育てることにした。
 子供はすくすく成長し、やがて天女のような美人になった。蛮人はこの娘を首長に献上した。
 娘の評判を聞きつけた交州人は、引き渡すよう要求したが、与えなかった。そこで、交州人は挙兵し、広西の蛮人を攻め滅ぼして娘を連れ去った。
 人々はこの娘を「檳榔女」と呼んだ。

(宋『陶朱新録』)