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琵琶の音と梅花の泡


 

 京の霊谷寺(れいこくじ)に琵琶街という通りがある。手を打ち鳴らすと琵琶のような音がするので、この名で呼ばれている。
 朱元璋(しゅげんしょう)の陵墓、孝陵の墻壁(しょうへき)の内側には八功徳水が流れている。すなわち清、冷、香、柔、甘、浄、不噎(ふえつ、喉につかえないこと)、除病の八つの功徳があるといわれている。
 寺の僧侶たちは墻壁の下を穿って水路を作り、そこから水を引き込んでいるのだが、不思議なことに水は逆さまに流れる。低いところから高いところへ向かって流れるのである。
 崇化寺には梅花池(ばいかち)がある。大きさはむしろほどしかない。水は巌の間から湧き出している。言い伝えによれば、水面に浮かんだ泡はすべて梅花の形をしているという。
 後に僧侶を葬る時に地脈を傷つけてしまったため、水は湧き出なくなってしまった。

(明『戒庵老人漫筆』)