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段金の交わり


 

 嵩(こうすう)は山陽(現江蘇省)の人である。同郷の范巨卿(はんきょけい)と親友であった。
 ある日、二人が一緒に歩いていると、道で金塊を見つけた。二人は互いに譲り合って、どうしても拾おうとしない。結局、金塊をそのままにして立ち去った。
 百歩ほど言ったところで、鋤(すき)を手にした農夫と出会った。二人は言った。
「先ほど、我々二人はそこで金塊を見つけたのですが、拾わずに来ました。あなたに差し上げましょう」
 農夫がその場所へ見に行くと、そこには一匹の蛇の死骸があるだけであった。
「ワシをだましたな」
 農夫は怒って鋤で蛇の死骸を真っ二つに断ち切った。そのまま二人のもとへ駆け戻ると、
「あそこには蛇の死骸しかなかったわ。何が金塊じゃあ」
 そして、プンプン怒りながら立ち去った。
 二人が戻ってみれば、そこには二つに断ち割られた金塊が転がっていた。
「天がこの金塊を下されたのですねえ」
 二人はそれぞれ一つずつ取った。

 これを「断金の交わり」と言った。

(唐『句道興捜神記』)