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呪 法


 

 観年間(627〜648)のことである。
 西域から一人の僧侶が遣わされて来た。人の生死を思いのままに操ることのできる呪法を会得しているとの触れ込みであった。太宗は、早速、騎兵の中から特に頑健なものを何人か選び出して、僧侶に呪法を試させた。果たして騎兵達は僧侶の呪法にかかって死んでしまった。僧侶が再び呪法をかけると、何事もなかったかのように息を吹き返したた。
 太宗がこのことを太常卿の傅奕(ふえき)に話すと、
「これは邪法に違いありません。邪は正を犯すことはできない、と聞き及んでおります。私に術をかけさせてみて下さい。きっと通じませんから」
 そこで、太宗は僧侶を召して傅奕に呪法をかけさせた。僧侶が何度呪法を試みても、傅奕は顔色一つ変えない。逆に僧侶の方が精根尽きて昏倒してしまった。
 僧侶は頬を打たれてようやく息を吹き返した。

(唐『隋唐嘉話』)