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大口の張


 

 君(現陝西省)に大口の張と呼ばれる男がいた。
 ある晩、同僚の家に招かれて酒を飲んだ。二更(夜十時頃)を回った頃、灯りを手に厠へ立つと、くぐり門の下に裸の男が寝ていた。顔の幅は一尺 (当時の一尺は約32センチ)あまりもあり、口は耳元まで裂けぐっすりと眠り込んでいた。
 張が力いっぱい蹴り飛ばすと、その男は黒い雄鶏と化し、敷石の上を走り回りながらガアガアと鳴いた。
 張は雄鶏を捕まえると、煮て酒の肴にしてしまった。

(清『夜譚随録』)