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酒を飲む猫、阿片を吸う猫


 

 『古今詩話』によれば猫は酒を飲めるという。李純甫の「猫飲酒詩」がそれである。
 私も本当に猫が酒を飲めるのかどうか試してみた。確かに猫は酒を飲む。と言っても、盃からガブガブ飲むわけではない。口もとにしずくを垂らしてやると、猫は口元を舐める。嫌がらなければ、少しずつ垂らしてやる。十回あまりも垂らしてやると、猫の目つきがトロンとしてくる。人間と同じく酒に酔うようである。
 近頃の猫は阿片も吸うという。
 これは陳寅東(ちんいんとう)から聞いた話である。浙江の県尉張小涓(ちょうしょうけん)が温州で猫を数匹飼っていた。猫達はいつも小涓が阿片を吸う長椅子で遊んでいた。小涓が阿片の煙を吹きかけると、猫達は嬉しそうに鼻を寄せて煙を吸い込む。しばらくすると、猫達はうっとりとした表情になる。今ではすっかり習慣となり、小涓が火を起こすのを見ると飛んで来て、煙管(きせる)を片付け出すとよそへ遊びに行くようになった。
 人は小涓の猫のことを、
「飼い主同様、立派な阿片中毒だ」
 と言っていた。これを聞いて笑わない者はなかった。

 猫も酒や阿片を好むとは、笑ってしまうではないか。

(清『猫苑』)