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偸瓜案(とうかあん)


 

 纓(りゅうえい)が滕県(とうけん、現山東省)の県令となった時のことである。

 ある家の女房が子供を二人連れて、不仲にしている相手の所有する瓜畑の近くを通った。瓜畑の持ち主は自分で瓜を摘んでおいて、女房が盗んだと訴え出た。女房は捕えられた。
 劉纓は盗まれた瓜が多すぎることに不審の念を抱いた。そこで、わざと女房を叱りつけた。
「その方、瓜を盗んだのだから、子供の一人で償いをせよ」
 そして、瓜畑の持ち主には子供と盗まれた瓜を持ち帰るよう命じた。持ち主は子供を抱きかかえてから瓜を拾い上げようとしたのだが、どうしても瓜が転がってうまく抱え上げることができない。
 持ち主が瓜を抱えられずモタモタしていると、劉纓が叱り飛ばした。
「その方は男のくせに、子供を抱きかかえたら瓜を持つこともできないのか!ならば、この女房は女なのにどうして子供を抱きかかえながら、瓜を持ち上げることができたのだ。しかも、こんなにたくさんをだ」
 持ち主は恐れ入って女房を陥れようとしたことを白状した。
 劉纓は瓜畑の持ち主を百叩きに処した。

(明『燕山叢録』)