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 るところに兄弟で同居する家があった。弟の方が商いで遠方へ出かけて久しく帰らなかった。弟の妻は帰らぬ夫を思って病の床に就いた。病状は悪化するばかりで、とうとう今にも息を引き取りそうになった。家人は相談して、偽って妻に夫が戻ったと告げた。そして、兄は帳の間から片手を差し入れ、弟のふりをして妻の体を撫でさせたところ持ち直した。不思議なことに、この日、弟の妻は懐妊した。

 しばらくして弟が戻った。妻の懐妊を知ると、不貞を働いたではないかと疑った。家人が事情を説明しても信じず、ついに訴訟を起こし、妻は獄に繋がれる身となった。

 月満ちて弟の妻は奇妙なものを産み落とした、それは人の片手であった。ようやく弟も家人の言葉を信じ、訴訟を取り下げた。

(明『情史』)