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踊 る 猿


 

 る人がたくさんの猿にきれいな着物を着せ、毎日、踊りを教え込んでいた。しばらく経つと、猿達はすっかり踊りを覚え、飼い主の言うことをよく聞くようになった。猿達がきちんと並んで踊る姿はたいそう優美で、多くの人々の賞賛を得た。

 これを見ていた一人の少年、猿が人にほめられているので腹が立ってきた。

「チェッ、猿のくせに。生意気だぞ」

 彼はひそかに猿の踊りをぶち壊してやろうと思った。

 ある日、猿達は飼い主の催す宴席で踊りを披露することになった。猿達が一糸乱れず踊る姿に客人達は拍手喝采した。飼い主もたいそうご満悦であった。

 この時、例の少年が宴席に入り込み、どんぐりを猿達の前にまいた。すると、猿達は踊ることも忘れて、どんぐりに飛びついた。着物は破れ、酒壺は飛び、食卓もひっくり返った。飼い主は慌てて大声で叱りつけたが、猿達はどんぐりを食べることに夢中で、一匹も命令を聞かない。

 こうして宴席は台無しになった。

(明『郁離子』)