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嗜酒(ししゅ)


 

 陽(現貴州省)にひどく酒好きで、日に数斗も飲む士人がいた。午後になると無性に酒を飲みたくなり、いったん飲み出すと際限なく飲み続けるのであった。おかげで、身代は日に日に傾いていった。
 ある晩、大いに酔って、何やら吐き出した。形は虫に似ているのだが、表面はのっぺりとしていた。士人が酒を飲みたくなる午後になると、虫のような物は身を真っ直ぐにもたげた。家人が試しに酒をそそいでみると、またたく間に吸い込んでしまった。いつも飲む量をそそぎ終わると、吸い込むのをやめた。気味が悪くなって火の中に投げ込んだところ、爆発して粉々になった。

 以来、士人は酒が嫌いになった。

(宋『遁斎閑覧』)